裏入江

2,入江雅人・少年期
証言者: 匿名希望
ぼく


 

入江の長男?
どちらかっていえば、おとなしい子だったねぇ。
弟はクソガキやったけどね、竜太郎。
長男の方は体が弱かったらしくて。
でもね、
あの長男ただ者じゃないと踏んでたんですよわたしゃぁ。
ってのはね、
他でもないんですがね、
当てたんですよ奴は。
500円とファミリー三本。
あれにはたまげた。
度肝抜かれた。
駆けめぐったね、
噂が、
町中。
そりゃそうでさぁ旦那。
本当に当たりがあるなんて誰も信じちゃいなかったんだ。
500円だよっ、
それだけじゃねぇファミリーが三本も付いてんだ。
そんなもん信じる方がどうかしてら。
35円のジュース一本に、そんな景品付けてあんた、
どうやって採算取るってんだい。
当たりなんて有るはず無かったの。
酒屋の俺が言うんだ、間違いねぇやね。
当てたね、それを。
入江の長男。
おとなしそうな顔して。
見てたよ、ずぅーっと。
当たったらどっしょっか、あー坊
とか言いながらライターで裏蓋あぶって。
(夢があっていいねぇ、少年)
とか思いながら見てたの。
そしたら、「ァ・・・」とか言いやがって。
「まー君、当たったと?」とか言い出して、
○村の息子が。
それから先は俺ももう覚えちゃいねぇや、
気付いたときにゃ商店街中大騒ぎで。
魁皇が貴ノ花に勝った時くれぇかね、
あとにも先にも、
直方があんなに盛り上がったのは。
なんかそういうもん持ってんだねぇ奴は。
伝説やね、須崎町の。
(薄涙)

おぉっとごめんよ、歳とると湿っぽくなっていけねぇや・・・

カレー焼き屋もやめちまうしよぅちくしょぅ・・・(号泣)





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